従業員との摩擦をさけるためのエビデンスとは

私は、外国人雇用の手続をすることが多いのですが、はじめて外国人を雇用する企業の手続で困ることがあります。

外国人が日本で働くための在留資格の申請時に提出する書類の中に、「労働基準法第15条第1項及び同法施行規則第5条に基づき,労働者に交付される労働条件を明示する文書」というものがあります。いわゆる雇用契約書です。これは必ずしも契約書である必要はなく、絶対的記載事項が記載されていれば明示書、通知書であっても構いません。労働基準法は、外国人のためにこの規定を作っているわけではありません。全ての雇用者が労働者に対してすべきこととして定めているのですが、残念なことに行われていることの方が希です。

さて、「労働条件を明示する文書」は労働基準法に定められていますから、その目的条文のとおり労働者の保護を目的としているのですが、それでは雇用主をまもってくれないかというと必ずしもそうではないのです。

例えば、創業当時は1店舗しかなかったので、「就業場所」にはその店舗の住所を入れたとしましょう。近くに2店舗目をオープンしたので、そこへ転勤させられるでしょうか。この問題を解決するために、この項目には「業務都合等により変更を命ずることができる」という文言をいれるのが普通です。残業、休暇などの項目にも同様の規定をいれることができます。そして、こういう文言が会社をまもることになります。つまり会社の都合によっては協力してくださいという趣旨のことを事前に書面で明示をしておくことが重要なのです。

従業員の多くは労働基準法など全く知らないでしょう。知っていても断片的な知識でしかありません。そして事業主は多忙です。何か、事がおこるたびに労働基準法の話から説明するのは無駄なことですし、何より揉めてから説明をするのは、雇用主も被雇用者も気分はよくありません。たかだか紙切れ1枚を作ることを惜しんで、本来経営者がしなければならないことがおろそかになるようでは困ります。そんな時間があるなら更に会社を発展させることを考えた方がずっと生産的です。

これから創業する方はもちろん、3年目を迎えるにあたり手をつけていないのであれば是非この機会にやっておくべきです。

<絶対的記載事項>
①労働契約の期間に関する事項
②就業場所及び従事すべき業務に関する事項
③始業及び終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、
休憩時間、休日、休暇並びに労働者を2組以上に分けて就
業させる場合における就業時転換に関する事項
④賃金(退職手当、臨時に支払われる賃金、賞与を除く。)の決定、計算及び支払の方法、
賃金の締切り及び支払の時期並びに昇給に関する事項
⑤退職に関する事項

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